- そもそも職務経歴書って何を書いたらよい?
- 他業界での経歴って意味があるの?
- IT業界未経験でも興味を持ってもらえる書き方が知りたい
転職に必要な書類のひとつである「職務経歴書」ですが、転職が初めての人にとってはイメージがしにくいものです。
さらに業界未経験からのIT転職を狙うあなたにとっては、他業界での経歴を書くの?など疑問点も多いと思います。
私は某大手IT企業に長年勤めてきた中で、IT業界に本当に求められているものは何かを身を持って感じてきました。
その経験を活かして、IT業界未経験のあなたにとっての職務経歴書の書き方について紹介します。
この記事を読むことで、職務経歴書の効果や重要性を知ることができ、採用担当者の目に留まるような魅力的な職務経歴書を書くことができるようになります。
職務経歴書とは
「職務経歴書」とは、あなたがこれまで携わってきた仕事についてまとめた書類です。
あなたがこれまでに働いてきた企業や携わった業務内容、得られたスキル・知識などをまとめます。
まず、この職務経歴書がどういったものなのかについて紹介します。
転職に必要な書類のひとつである職務経歴書ですが、何のために必要なのかについて理解しておくことで、明確な方向性を持って作成することが重要です。
職務経歴書の目的
職務経歴書の目的は、応募先企業に対してこれまでのあなたの仕事の経験や実績、得られたスキルなどを伝えることです。
実際に携わった具体的な仕事について示すことで、あなたがどのような経験やスキルがあり、入社後に貢献できる人材かどうかを判断させることができます。
あなたが応募先企業にとって価値のある人材であると判断してもらえるように作成することが必要です。
履歴書との違い
バイトなどで書いたこともある人が多いであろう履歴書との違いについて紹介します。
明確に切り分けて、それぞれの目的に沿った書き方をすることが重要です。
- 履歴書:住所や年齢、学歴/社歴、顔写真などを貼ってあなたのことを大枠で紹介するための書類
- 職務経歴書:これまでの業務での実績や得られたスキルについて具体的に伝えるための書類
職務経歴書はあなたが仕事が出来る人材かどうかを判別させるための書類です。
そのため、具体的な業務名やプロジェクト規模などを記載していく必要があります。
形式
職務経歴書には決まった形式・フォーマットといったものはありません。
ただ、記載すべき項目については概ね決められており、分量もA4サイズ2枚程度にまとめるのが一般的です。
そのため、あなた独自のオリジナリティあふれた職務経歴書を作成する必要はなく、転職サイトなどでダウンロードできるテンプレートなどを基に作成するとよいです。
また、手書きではなく、WordやExcelを用いてPCで作成するのが一般的です。
IT未経験者にとっての職務経歴書の重要性
IT業界未経験者のあなたにとって、職務経歴書はしっかりと戦略を立てて作成する必要があります。
IT経験者の場合は、IT業界での業務実績をIT用語を用いて普通に記載すれば十分に伝わる内容になります。
しかし、他業界のあなたの経験や実績は、IT業界の採用担当者にはイメージしづらく、内容や凄さがいまいち伝わらないことがあります。
そのため、何も考えずにただただ経験を羅列するだけでは、あなたの価値を理解してもらえるような職務経歴書にはなりません。
このあと紹介するポイントをしっかり押さえて作成することが重要です。
IT未経験者が職務経歴書を書く際のポイント
IT業界未経験者のあなたが職務経歴書を作成する際には、しっかりとポイントを抑える必要があります。
職務経歴書は、今までの業務経験や実績を伝え、即戦力であることをアピールするための書類ですが、IT未経験のあなたの場合は、IT実績がありません。
そのため、これまでのあなたの経験が、IT業界でも通用する戦力になると判断させるように工夫して作成する必要があります。
職務経歴書を書く際に抑えるべき具体的なポイントは以下の通りです。
一般的な意識すべきポイント
まず、IT経験者も共通で一般的に意識すべきポイントを紹介します。
分かりやすくする
さっと見ただけでも内容をだいたい把握できるように作成します。
職務経歴書を見るのは、採用担当者や場合によっては現場社員です。
共に忙しい身であるため、大量の応募者からの書類を一枚一枚しっかりと読んでくれることは稀です。
そのため、さっと流し読みされても要約を理解でき、目に留まって後でゆっくり見てもらえるような書類にすることが重要です。
具体的には以下のポイントを意識します。
- 見やすいレイアウト、構成
- 理解しやすい文章
見やすいレイアウト、構成
さっと見ただけで、どこに何が書いてあるかを掴めるレイアウトにします。
ただ文章を書き連ねるのではなく、書く内容に応じて■や【】などを付けた見出しを作成します。
必要に応じて箇条書きなども活用すると効果的です。
理解しやすい文章
論理的に繋がっている文章にします。
また冗長的な表現は避け、必要な情報をシンプルに伝えるように書くことが重要です。
さらには、具体的な数字を盛り込むことで読んだ人がイメージしやすい内容にすることも効果的です。
IT未経験者が意識すべきポイント
次に、IT未経験者のあなたが追加で意識すべきポイントについて紹介します。
IT業界での価値を示す
あなたのこれまでの業界での経験が、IT業界でも戦力になると判断されるように作成します。
他業界での経験や実績をそのまま羅列されても、IT企業の採用担当者はそれがIT業界で役に立つのかどうか判断できません。
そのため、これまでの職歴がIT企業でどのように活かせるかを理解できる書き方にする必要があります。
具体的には以下のポイントを意識します。
- IT担当者が理解できる内容
- 得られたスキルへの誘導
IT担当者が理解できる内容
職務経歴書を読んだIT企業の担当者が、あなたの業界での業務内容をちゃんとイメージできるように書きます。
そのためには他業界の専門用語を使用しないようにし、その業界ではない人でも理解できる一般的な言葉で置き換えたりします。
また、他業界の業績やプロジェクト規模は想像しにくいため、具体的な数値などを示すことが効果的です。
役に立つスキルのアピール
他業界での経験がIT業界でも役に立つことが理解できるように書きます。
ただ他業界での業務経験を記載しても、それがIT業界で何の役に立つのかは判断できません。
IT業界でも役に立つスキルを持っていることをアピールできる書き方を意識します。
例えば、チームリーダーとして業務に携わった経験であれば、チームリーダーとして行った具体的な役割(進捗管理や作業指示など)やチームの人数を示すことで、マネジメントスキルをアピールすることができます。
IT業界で有効なビジネススキルについては「IT転職を成功に導く大事なビジネススキル6選」で詳しく解説しています。
また年齢やキャリアに応じたアピールすべきことについては「20代・30代・40代・第二新卒がIT転職を成功させる方法」でそれぞれ解説しています。
ITへの意欲を示す
あなたのIT業界への意欲が伝わるように書きます。
企業担当者はIT業界未経験のあなたが、入社した後にITスキルについて自ら学んで習得していってくれることを期待します。
その期待に沿う人材であることが伝わるようにします。
具体的には以下のポイントを意識します。
- 主体性
- 勉強内容
自ら主体的に勉強しているIT知識やスキルについてアピールします。
また、取得したり、取得するために勉強している資格について書くことも具体性があって効果的です。
ITの資格については「未経験者がIT業界への転職を成功させるために取るべき資格はあるか?」で詳しく解説しています。
職務経歴書に書く内容
実際に職務経歴書に記載する内容について紹介します。
職務経歴書には決められたフォーマットが無いとは言え、企業が求める情報をしっかりと記載する必要があります。
ここでは通常記載されるべき一般的な項目について紹介します。
具体的な項目は以下の通りです。
- タイトル(職務経歴書)、日付、氏名
- 職務経歴概要
- 職務経歴詳細
- スキル・知識
- 資格・免許
- 自己PR
- 志望動機
- (転職理由)
タイトル(職務経歴書)、日付、氏名
一番頭に、”職務経歴書”というタイトルと、職務経歴書を提出する日付、あなたの氏名を記述します。
職務経歴概要
【職務経歴】
社歴を記述します。
各企業の名称、在籍期間などを箇条書きにします。
【職務要約】
あなたがこれまでどのような業務に携わり、どのような成果を出してきたかを記述します。
この後に記述する内容の概要、要約になります。
職務経歴詳細
職務経歴書でメインとなる、これまでの業務経歴を詳細に記述します。
在籍企業ごと、携わったプロジェクトごとに記述します。
- 【企業名、事業規模、在籍期間など】
- 【業務内容】
- プロジェクト名称
- プロジェクトの概要
- あなたの担当業務
- 【業務規模】
- 人数
- 予算、売り上げ
スキル・知識
あなたが習得しているビジネススキルや、IT業界でも役に立つ知識について箇条書きで記述します。
資格・免許
あなたが取得している資格について箇条書きで記述します。
自己PR
あなたが企業にとって価値のある人材であることをアピールします。
職務経歴で記載した経験が応募企業への貢献にどのように繋がるのかを意識して書きます。
自己PRの書き方については「失敗しない自己PRの書き方」で詳しく解説しています。
志望動機
なぜその企業に応募したのか、また業界未経験のあなたの場合はなぜIT業界への転職を決めたのかをアピールします。
志望動機の書き方については「失敗しない志望動機の書き方」で詳しく解説しています。
(転職理由)
これは必須ではないですが、ネガティブな理由でもポジティブな表現に変えて記述することで前向きな姿勢をアピールすることもできます。
面接で聞かれる可能性の高いことなので、いずれにしろあらかじめ準備しておく必要はあります。
面接については「失敗しない面接への挑み方」で詳しく解説しています。
職務経歴書の効果的なアピール方法
次に、ここまで紹介した内容を踏まえて作成した職務経歴書の効果的なアピール方法について紹介します。
職務経歴書の内容をより効果的なものにすることで、採用担当者の目に留まりやすくすることが重要です。
効果的なアピールの仕方は、「応募する求人や企業の内容によって訴求ポイントを変える」ことです。
「あなたの価値」と「企業が求める人材」とが合致することで、採用担当者のあなたへの興味をぐっと引き寄せることができます。
そのため、企業側が求める内容に応じて、あなたの職務経歴書で主に主張する内容を変更します。
例)
- プロジェクトを牽引できる人材を求めている
- →チームで成果を出した経験、リーダーシップなどを主題にする
- 顧客折衝が必要な職種で募集している
- →クライアントとの折衝を行った経験、コミュニケーション力などを主題にする
このように企業の要求に即したアピールをするために必要なことを紹介します。
これまでの経験をしっかりと整理する
まず、これまでの経験を整理しておきます。
企業に合わせた的確なアピールをするためには、あなたのこれまでの経験をしっかりと整理し把握しておくことが必要です。
あなたのこれまでの他業界での経験をたな卸しし、どのような実績があるのかを明確にします。
・どのような業務にどのような立場で携わりどのような成果が得られたか
・どのような考えでどのように工夫しどのような気づきが得られたか
「たいしたことやっていないから実績にならない」などと自分で勝手に取捨せずに、ただ客観的に事実を整理していくことがポイントです。
これまでの経験の整理については「業界未経験者がIT業界への転職で失敗しないために」の“③自分の価値を明確にする”でも紹介しています。
企業の求める人材を的確に捉える
次に、応募する企業の求める人材をしっかりと研究する必要があります。
その為の方法としては以下の方法が上げられます。
求人内容をよく読む
もっとも初歩的な方法ですが、求人内容に書かれている募集要項を読み解くことで、企業の求める人材像を把握します。
求人内容の正しい見方については「求人内容の正しい見方」で詳しく解説しています。
企業HPをよく調べる
企業の主力事業であったり、経営思想などを企業HPから読み解くことで、潜在的な企業の求める人材像を把握します。
転職エージェントに詳しく教えてもらう
上で上げた2つの方法の欠点は、その企業の表向きな情報でしかないことです。
企業が本当に求めている人材像を明確に把握するには、「転職エージェント」から情報を得るのが最も効果的です。
転職のプロである転職エージェントは企業側と太いパイプを持ち日々情報収集を行っています。
そのため、企業が具体的にどういった能力や経験を持った人を求めているのか、といったような情報を持っています。
あなた一人では得られない生の情報を持っていることは大きな戦力になります。
また、企業の本当の情報を得られるので「ブラック企業の回避」にも役立ちます。
そのため、転職エージェントをふんだんに活用することが最も効果的です。
転職エージェントについては「転職エージェントとは|IT業界未経験からの転職に必須な理由と選び方」で詳しく解説しています。
まとめ
IT業界未経験のあなたがIT転職を成功させるための「職務経歴書」の書き方について紹介しました。
IT実績の無いあなたは、アピールすべき内容を理解し、しっかりと戦略を立てて職務経歴書を準備する必要があります。
そして、職務経歴書を効果的にアピールするには、応募する企業に応じて訴求ポイントを合わせることが必要です。
企業の求める人材像に合致させるためには企業やその求人に関する情報が不可欠で、そのためには「転職エージェント」を活用することが最も効果的であると紹介しました。
ぜひこの記事を参考に魅力的な職務経歴書作成し、IT転職を成功へと導いていってください。