- クリティカルシンキングって何?
- どんな役に立つの?
- 他の思考法との違いは?
思考法の一つとして「クリティカルシンキング」というものがあります。
これまでの前例や根拠などに疑問を持ち、物事の本質に迫ることが出来る思考法で、人々の価値観の変化や多様化が進む昨今、その価値が高まってきています。
私は某大手IT企業に長年勤めてきた中で、実際に業務を行う際に本当に必要な能力、求められている能力は何かを身を知ってきました。
その経験を活かして、あなたが是非とも身に着けるべき思考法の一つであるクリティカルシンキングについて紹介します。
この記事を読むことで、クリティカルシンキングの特徴や手法、効果などを理解することができます。
この記事で得られた知識を基に、その思考法を実際に身に着け、転職での強力なアピールポイントとなってもらえると幸いです。
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングとは、前提や根拠、結論などについて本当に正しいのか?と疑問を持ち、物事の本質を見極める思考法です。
日本語では「批判的思考」と訳されますが、否定的な考えを基にした思考法ではなく、前提や得られた情報、根拠などに疑問を投げかけ、客観的な視点で物事を考えていく思考法になります。
物事の本質の理解を深めるのに有効な思考方法です。
特徴
クリティカルシンキングの具体的な特徴は以下の通りです。
- 客観的に見る
- 疑問を持って考える
- 物事の本質を見極める
客観的にあらゆる角度から何度も問い直し、導き出す解の精度を上げていきます。
ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキングは物事を道筋立てて考え、要素に分解して合理的な結論を導き出す思考法です。
前提が正しいものとして論理展開していき、一貫した矛盾のない合理的な結論を出すことができます。
それに対してクリティカルシンキングは、互いに相反する考え方などではなく、ロジカルシンキングの精度を上げる役割を果たすことが出来ます。
ロジカルシンキングと合わせて使用することで、より効果的な解を導き出すことができるようになります。
得られる効果
クリティカルシンキングを用いることで得られる効果について紹介します。
ビジネス環境の変化のスピードは増々速くなり、また人々の価値観の多様化が進んでいるため、どんどんと常識や慣習、これまでの基準というものが塗り替えられています。
そのため、前例に倣った画一的な考え方ではもはや通用せず、誤った判断を下すことになりかねません。
そんな中、クリエイティブシンキングを用いることで、客観的に常に疑問を持ち、物事の本質を見極め、これまでの常識に左右されない適切な解を導き出すことができるようになります。
クリティカルシンキングを用いることで得られる具体的な効果は以下の通りです。
- 物事の本質を見極められる
- 導き出す解の質が上がる
- 矛盾や検証内容の漏れをなくせる
物事の本質を見極められる
前提や根拠に対して疑問を持つことで、本当に問題となっているのは何なのか?問題の本質はどこにあるのか?本当に果たすべき目的は何なのか?について検討することなるため、物事の本質に迫ることができます。
導き出す解の質が上がる
得られた根拠や解に対しても本当に正しいのか?と疑問を投げかけ再検討を行うため、質の高い解を導き出すことが出来るようになります。
矛盾や検証内容の漏れを無くせる
あらゆる事柄に対して常に疑問を持つことで多面的な考察ができ、相互の矛盾や検証すべき項目の漏れを無くすことが出来るようになります。
基本的な考え方
クリティカルシンキングを行う上での基本的な考え方について紹介します。
クリティカルシンキングを実践で活用する際に意識することで効果的に思考を進めていくことが出来るようになります。
クリティカルシンキングの基本的な考え方は以下の通りです。
- 常に目的を明確にする
- 固定観念や思考にバイアスがあることを前提に考える
- 常に問い続ける
常に目的を明確にする
目的を常に明確にして思考を進めることで、目的に即した解を導くことが出来ます。
目的がブレてしまうと、誤った思考に陥り非効果的な解を導いてしまいます。
また不要な検討に時間を割いてしまうなどの無駄が生じてしまいます。
そのため、導き出そうとしている解に求めている本当の目的は何かを常に意識しておく必要があります。
固定観念や思考にバイアスがあることを前提に考える
固定観念や思考にバイアスがあることを前提として捉えておくことで、客観性に気を付けながら思考を進めることが出来ます。
人は知らず知らずの内に自信の固定観念や思考の偏りに影響されています。
そのことを知らないと、誤った判断や解を導くことになってしまいます。
そのため、固定観念や思考にバイアスがあることを前提に考えることが必要となります。
常に問い続ける
前提や根拠、結論に至るまで、常に疑問を持って本当に正しいのだろうか?と問い続けることで、物事の本質を見極めることが出来るます。
すんなりと出された結論では、検討が足りない可能性があります。
何度も疑問を持って掘り下げることで物事の本質にたどり着くことができ、本当に必要な解を導き出すことが出来あす。
そのため、常に問い続けることが必要となります。
習得方法
クリティカルシンキングを身につける方法について紹介します。
特徴や得られる効果、基本的な考え方について紹介してきましたが、身に付いて実際の業務で使えないと意味がありません。
習得には以下の方法があります。
- 実践
- トレーニング(研修、セミナー)
- 本、e-learning
実践
実践するのが一番効果的です。
実際の業務や私生活において、紹介した手法やフレームワークを当てはめて思考するようにします。
クリティカルシンキングを意識して実践することで、もっとも効果的に身につけることが出来ます。
トレーニング(研修、セミナー)
今の会社で研修カリキュラムがあれば積極的に参加することをおススメします。
ケーススタディを用いたワークショップを行うので、理論への理解を深めつつ模擬実践に取り組むことができます。
本・e-learning
様々な本やオンライン学習が販売されていますが、実際に実践で使用することで身に付いていくため、これらは知識の補強程度と考えるのがよいです。
他の思考法について
クリティカルシンキングとよく共に紹介される思考法に、ロジカルシンキングとラテラルシンキングがあります。
この二つの思考法について、クリティカルシンキングとの違いとその特徴について簡単に紹介します。
クリティカルシンキングでは賄えない部分をカバーできる思考法で、さらに状況に応じて3つの思考法を合わせて使用できるととても効果的になります。
ロジカルシンキング(論理的思考)
ロジカルシンキングは、筋道だった一貫した矛盾のない合理的な考え方を行う思考法です。
日本語では「論理的思考」と呼ばれます。
物事を体系立てて整理し、関係性を正しく把握し、適切な解を導きます。
説得力のある説明をすることが出来るようになります。
ロジカルシンキングについては「転職に有効なビジネススキル|ロジカルシンキング」で詳しく解説しています。
ラテラルシンキング(水平思考)
ラテラルシンキングとは、固定概念にとらわれず、物事を多面的に捉えて複数の結論を導き出す思考法です。
日本語では「水平思考」と呼ばれます。
これまでの前例に捕らわれず、新しい視点を持って物事を考えていくのが特徴で、ロジカルシンキングとは対極的な思考法です。
いままでに前例のない新しいこと(イノベーションを伴うこと)をする際に活躍します。
ラテラルシンキングについては「転職に有効なビジネススキル|ラテラルシンキング」で詳しく解説しています。
3つの思考法の組み合わせ
ロジカルシンキング、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングの3つの思考法を組み合わせることで大きな効果を発揮することができます。
具体的な方法
- ラテラルシンキングで、自由な発想をし固定観念に囚われない新しい発案をする
- ロジカルシンキングで、1つのことについて深堀りし正しい結論を導き出す
- クリティカルシンキングで、導き出す結論の精度を上げる
このようにそれぞれの特徴を活かして組み合わせて活用することで、効果的に結論を導き出すことができます。
まとめ
クリティカルシンキングについて、特徴や手法、他の思考法との違いなどについて紹介してきました。
クリティカルシンキングは、昨今のビジネス環境の変化や人々の価値観の変化、多様化に伴い、ビジネスマンにとって重要なビジネススキルの一つとして注目されてきています。
本記事で、その有効性について理解してもらえたら幸いです。
他のビジネススキルと共に、ぜひ転職活動での大きなアピールポイントとして成熟させてもらえればと思います。
転職活動におけるビジネススキルの効果的な活用方法については「ビジネススキルとは|IT業界未経験者が転職を成功させる為に有効なスキル!」で詳しく解説しています。