- 第二新卒業界未経験でもIT業界へ転職できる？
- 第二新卒が気を付けるべきことを知りたい
- 転職を成功させるための具体的な方法が知りたい
「第二新卒でIT業界未経験からIT転職をしたいけど、本当に実現できるのか悩んでいませんか？」
結論から言えば、第二新卒であれば未経験業界だとしても他の年代と比べると転職しやすいです。
ただし、若いという理由だけでIT未経験からでも簡単に転職できるような甘い業界では決してありません。
転職を成功させるためには、第二新卒・業界未経験という状況を踏まえた適切なアプローチをとることが必要です。
私は某大手IT企業に長年勤めてきた中で、実際に業務を行う際に本当に求められている能力は何かを身を知ってきました。
その経験を活かして、以下のことについて紹介します。
- 第二新卒・業界未経験のあなたに求められているもの
- 転職成功のための適切なアプローチとアピール
- 転職実現のために具体的にやるべきこと
この記事を読むことで第二新卒業界未経験からのIT業界転職を成功させるための方法を知ることができ、実際に行動に移すことでIT転職実現へと近づくことが出来るようになります。
第二新卒業界未経験からの転職方法
第二新卒業界未経験のあなたがIT業界へ転職することは可能です。
現在や今後のIT業界の情勢や第二新卒という若さから、むしろ転職しやすい状況でもあります。
ただし、簡単に転職できるような業界では決してなく、しっかりと準備をしないと到底成功には至りません。
第二新卒未経験の転職事情
まず、IT業界の現状とあなたの置かれている立場について説明します。
活況な転職市場
上図は、経済産業省が発表している「IT人材の育成」の中の「－IT人材需給に関する調査－」で使用されている図です。
IT業界は右肩上がりの大きな成長産業ですが、IT業界は深刻な人材不足の状況です。
図が示すようにIT人材の需給ギャップは年を重ねるごとに広がって行きます。
そのため、現在の時点で人材確保及び人材育成を積極的に行っていこうとする企業が多いです。
つまり、業界未経験者を含めたIT業界への転職には大きなチャンスがあるというのが現在の状況です。
IT業界の転職事情については「IT未経験者がIT業界へ転職するのは難しい？」でも詳しく紹介しています。
第二新卒の定義
明確な定義はないですが、学校卒業後に新卒で入社して３年以内の転職をしようとしている人を指すことが多いです。
ポテンシャル採用
第二新卒であれば、ポテンシャルを見てくれるので他の年代に比べて転職の成功率は高いです。
ポテンシャル採用：潜在能力を重視し今後大きな成長が期待できる人材を採用する選考方法
しかしながら、”やる気とガッツはあります”みたいなチープなアピールしかできないと必ず失敗します。
企業側に多くのメリット
第二新卒の採用は、企業側にとっても多くのメリットがあります。
新人研修受け済みなので、初期育成コストが少なくて済む
社会人経験があるがまだ考えが凝り固まっていないので育てやすい
特定求職者雇用開発助成金がある(第二新卒を採用すると国から助成金が出る)
このように、企業側にとっても採用を前向きに考える要素が多くあります。
第二新卒者の弱み
第二新卒者ゆえの弱みもあります。
今の会社に勤めている期間が短いので、企業側からしたら「入社してもまたすぐに辞めてしまうのではないか？」と不安になります。
この点が大きな弱みになるため、企業側の不安を払拭できる明確なアピールをしていくことが必要になります。
以上より、IT業界未経験の第二新卒であるあなたはIT転職を成功させることが出来る可能性が高いですが、本当に実現させるためには適切な戦略が必要となります。
転職成功のための手順
転職を成功させるためには、あなたの状況に即した正しい戦略を持って転職活動を進めていくことが大切です。
具体的な進め方は以下の通りです。
- ①あなたに求められているものを理解する
- ②適切なアプローチを知る
- ③アプローチに沿った適切なアピール内容を把握する
- ④具体的にやるべきことを実行に移す
ひとつずつ見て行きます。
①第二新卒業界未経験者に求められるもの
まずは、あなたに求められているものを理解することが重要です。
以下の各観点から具体的に紹介していきます。
IT業界で求められるもの
IT業界というのは、変化のスピードが特に速く、さまざまな新しい技術・サービスがどんどん生まれてくるような業界です。
そんなIT業界の中で、特に重要になってくるのは以下のような能力です。
- コミュニケーション能力
- 論理的に物事を考え、問題解決へと導ける能力
- 変化を恐れない姿勢
- 自ら学び続けていく姿勢
つまり、ITの専門知識や技術よりも、こういった“仕事が出来る能力”が求められています。
IT業界の特徴については「IT業界への転職をおすすめする理由」や「IT業界への転職のメリット・デメリット」で詳しく紹介しています。
第二新卒に求められるもの
企業が第二新卒転職者を採る理由と期待することは以下の通りです。
- 新人研修がいらない(初期コストを抑えられる)
- 少しでも実務経験がある(社会常識、ビジネス基礎がある)
- 育てやすい(まだ固定観念に染まっておらず新しいことも柔軟に吸収していける)
- 育てれば将来会社を支えてくれる(今すぐにではなくてよい)
つまり、初期教育コスト(費用や時間、労力など)が抑えられて将来性のある人材が求められます。
さらに第二新卒という状況から、企業からは「すぐに辞めないという確証」が求められます。
業界未経験者に求められるもの
企業が未経験者でも採用したいと思うのは、「経験者だけでは足りない次点の人材確保のため」、または「経験者よりも価値のある人材であるため」です。
いずれの場合も以下のことが求められます。
- IT実務経験以外の部分の価値が高い
- 入社後に自らITスキルを身につけていってくれる
- なぜIT業界なのか？の明確な理由・熱意がある
以上のようなことが、第二新卒IT業界未経験のあなたに求められていることです。
②第二新卒業界未経験者の適切なアプローチ
次に、あなたに求められていることを踏まえて、転職成功のための適切なアプローチを取ることが重要です。
年齢や経験などによって、転職を成功へ導けるアプローチは異なります。
誤った方向に突き進んでしまわないように、第二新卒IT業界未経験のあなたに適したアプローチを取ることが大切です。
具体的なアプローチは以下の通りです。
潜在性を示す
あなたの潜在能力、いわゆるポテンシャルを示します。
まだ大した実績はないが、仕事が出来る能力が高いということを示します。
これまでの仕事への取り組み方・振る舞い・考え方・工夫したことなど、実際の業務を通して行なってきたことに基いて示すことがキモで、具体性を伴った説得力の高い伝え方が出来ます。
将来性を示す
いますぐにではなくとも将来的にあなたが会社に貢献できることを示します。
自ら進んで様々なことを吸収していき、自分でどんどん成長していけるといったことを示します。
これまでの仕事への取り組み方の他にも、ITに関する勉強を始めてたりすると説得力が増すうえに実行力を示せます。
熱意を示す
なぜIT業界(御社)なのか。 IT業界(御社) で何を実現したいのか。というような IT業界(御社) に対する熱意を示します。
異業種からの転職であるため、志望動機にも繋がるこの熱意を示すことは必須になってきます。
明確な業界調査・理解を経た上で、あなたのやりたいことが具体的にどう実現できるのか示すことで説得力を増すことが出来ます。
③第二新卒業界未経験者の適切なアピール
次に、先ほど紹介したアプローチに沿ったアピールすべき内容について把握します。
具体的に何をアピールすればいいかについて落とし込んで紹介していきます。
潜在性・将来性のアピール
ビジネススキル
いわゆる仕事が出来る能力のアピールには「ビジネススキル」を用いるのが効果的です。
あなたの能力をビジネススキルに基いて整理することで、具体的にかつ明確にアピールすることができます。
アピールすべき具体的なビジネススキルは以下の通りです。
- ヒューマンスキル
- コミュニケーション能力：良好な人間関係を築き、さまざまな関係者とスムーズなやりとりをする能力
- 説明力：相手にわかりやすく、納得しやすいように説明できる能力
- 協調性：意見の異なる相手ともお互いに尊重し合い同じ目標へと進んでいける能力
- コンセプチュアルスキル
- 主体性：自ら進んで責任をもって行動ができる能力
- 向上心：前向きにスキルを磨き続けることができる能力
- チャレンジ精神：新しいことに臆することなく挑戦する能力
- マネジメントスキル
- セルフマネジメント能力：自分の仕事を適切に管理することができる能力
ビジネススキルについては、担当者やチームメンバーとしてどう考えどう動きどういう結果になったかといったことをこれまでの具体的な業務経験を基に示すことが重要です。
ビジネススキルを体系的にまとめたものは「ビジネススキル一覧｜体系化」で紹介しています。
社会人スキル
新卒と違って社会人経験があるため、社会人としての基本的なマナーやスキルについてはしっかりと意識しましょう。
各種応対や立ち居振る舞い、ビジネス文書力など基本的なことは備えていることをアピールします。
新卒との大きな差別化ポイントになります。
短い社会人経験の中で得られたこと、考え方
その他にこれまでの社会人経験で身に着けられたこと、考えさせられたことなどを整理してまとめておくと何かを説明する際に、言葉に深みが増し、説得力が高くなります。
新卒は何を語っても絵空事ですが、短い経験であっても実体験を基にしたあなたの言葉は、新卒との差が明確に出るポイントでもあります。
熱意のアピール
ポテンシャル採用が狙える第二新卒は、”熱意”も大きなアピールポイントとなります。
応募企業に対する想いや、仕事、キャリア、ITなどに対する熱意を伝えられるようにします。
短いながらも就業経験があることを活かして、これまでの業界での経験と絡めて説明できると説得力が段違いに高くなります。
退職理由、志望動機
第二新卒者の弱みである”退職理由”については必ず聞かれると思っておいた方がよいです。
退職理由は、ネガティブな内容を使わず、また会社のせいにするような内容は避けるようにします。
あくまで、ポジティブな理由で退職したという内容にすることが重要です。
それに繋がる形で、なぜIT業界に転職したいのか？なぜ応募企業なのか？という”志望動機”についてもしっかりと内容を練ることが必要です。
今の会社から早々に出ることを決めた第二新卒にとっては非常に重要なポイントです。
IT業界への熱意
なぜIT業界に転職したいのか？IT業界はどういうところだと理解しているのか？IT業界で何を実現したいのか？といったことについて具体的にアピールします。
また、IT業界の理解やITスキルの習得のために具体的にやっていることをアピールします。
例えば資格の勉強などは具体的な熱意・やる気を示すにはわかりやすい行動です。
応募企業への熱意
なぜ御社なのか、御社ならば何が実現できて、御社に何を貢献できるのかを具体的にアピールします。
その為には、応募先企業の詳しい理解が必要になります。
志望動機については「失敗しない志望動機の書き方」で詳しく解説しています。
④転職実現のためにやるべきこと
では、適切なアプローチに沿った適切なアピールが出来るようにするために、具体的にやるべきことについて紹介します。
ここで紹介したことを実際に実行に移すことで、転職成功への一歩を踏み出すことが出来ます。
IT業界研究
転職を成功に導くためには、IT業界についてしっかりと学ぶことが重要です。
IT業界にはどのようなジャンルがあって、どんな仕事があるのか、企業や職種にはどういったものがあるのか。
あなたがこれから向かう業界のことを十分に理解することで、IT業界に対するあなたの熱意が説得力を増してきます。
IT業界については「IT業界への転職を実現させるために必要なIT業界研究」で詳しく紹介しています。
ビジネススキルの整理
あなたの潜在性・将来性をアピールするには、ビジネススキルが重要になると紹介しました。
そのため、あなたのこれまでの経験をたな卸しし、ビジネススキルとして整理し、アピールできるあなたの価値を把握することが必要です。
ビジネススキルについては「転職を成功に導くビジネススキル」で詳しく紹介しています。
企業調査
転職を成功させるためには、応募先企業のことをしっかりと調査し対策をすることが大切です。
内定が得られる条件というのは以下の等式が成り立ったときです。
企業側の求める人材＝あなたのアピールできる価値
つまり、企業側が本当に欲しているもの(スキル、経験、他業界知識などなど)を徹底的に調査することが必要になります。
その結果、応募先企業によってメインとするアピール内容を調整することが出来、より成功率を上げて行くことが出来ます。
転職エージェントの利用
以上のように、IT業界未経験からの転職を成功させるためにはやるべきことがとても多くあります。
しかしながら、これらのことをあなた一人で進めた場合、時間がかかる上に深いところまで理解できないだろうというのが現実です。
そのため本サイトでは、このようなやるべきことを効果的、効率的に行なうために、「転職エージェント」の利用をおすすめしています。
転職エージェントを利用すると、多くのノウハウを持った転職のプロが「担当者」として付き、あなたの転職活動に対してあらゆるサポートを行なってくれます。
第二新卒のあなたにおすすめな理由
豊富なノウハウを持った転職のプロがサポートしてくれる
第二新卒のあなたは、おそらく転職自体の経験も初めてだと思います。
転職活動の進め方や、選考書類の書き方、面接対策などなど、あらゆることに対してサポートをしてもらうことができ、とても心強い存在です。
効率的に転職活動を進めることができる
第二新卒という期間は3年以内と決まっています。この有利な枠を有効に使うには必然的に転職活動期間は短くなります。
転職のプロのサポートを受けることで、あなた一人で進めるのとは段違いに効率的に転職活動を進めていくことができます。
20代、第二新卒向けのエージェントが多い
20代、第二新卒に力を入れている転職エージェントは多いです。
その理由は内定を取りやすいからに他ならないのですが、そのおかげで各エージェント同士がしのぎを削って求職者の取り合いをしているため、より丁寧な質の高いサポートを受けやすいです。
などなど、第二新卒のあなたにとってのメリットがとても大きいので、ぜひとも活用することをおススメします。
転職エージェントについては「転職エージェントとは｜IT業界未経験からの転職に必須な理由と選び方」で詳しく解説しています。
また、具体的なおすすめ転職エージェントについては「20代IT業界未経験者のためのおすすめ転職エージェント」で紹介しています。
まとめ
IT業界未経験で第二新卒であるあなたが、IT業界への転職を成功させるための方法について紹介しました。
この記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 適切なアプローチは「潜在性・将来性・熱意」を示すこと
- 適切なアピールは「ビジネススキル」や「具体的な行動」で行なう
- 具体的にやるべきことは「IT業界研究」「ビジネススキルの整理」「企業調査」
IT業界は人材不足かつ第二新卒は転職に有利であると紹介しましたが、しっかりとポイントを押さえてアピールをすることが必要です。
第二新卒という特例期間は有限です。
この有利な期間を逃さないためにも、効果的で効率的な転職活動をしていくことが大切です。
この記事を参考にして、まずはその第一歩を踏み出してもらえたら幸いです。