- 外資系IT企業ってどんなところ?
どんな人が向いている? - IT業界未経験でも転職できる?
あなたは「外資系IT企業」に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。
「優秀な人が多い?」「実力主義?」「英語が飛び交っている?」
外資系IT企業への転職を考えているのであれば、その内情や実情について知っておくことが重要です。
日本企業とは違う風土ゆえ、向き不向きもあるため、実際のところを知らないと、選考対策を誤ったり、転職後のミスマッチが起こりやすくなります。
某大手IT企業(外資系)に長年勤めてきた経験を活かして、その内情、実情についてリアルに紹介していきます。
具体的には以下のことを紹介します。
・外資系大手IT企業の種類と特徴
・メリット・デメリットと向いている人
・求められるスキル
・転職するための方法
この記事を読むことで、外資系大手IT企業についてその特徴や転職するための方法について知ることができます。
その結果、あなたに合った風土かを判断でき、転職先とする際には有効な対策を取ることが出来るようになります。
外資系IT企業とは
外資系IT企業の定義
外資系IT企業とは、外国資本を主としたIT企業です。
米国や欧州、アジアなど多種多様な外資系企業があり、日本に居を構えてビジネス展開をしています。
外資系の定義としては以下の3つがあります。
- 外国企業が日本に進出し設立した会社:いわゆる日本法人
- 外国企業と日本企業が共同出資して設立した会社で外国側の出資率が高い会社:いわゆる合弁会社
- 外国企業が日本企業を買収した会社
外資系IT企業の分類
外資系IT企業の分類と代表的な企業について紹介します。
外資系IT企業はその事業形態に応じて3つに分類されます。
- ITメーカー・ベンダー系企業
- インターネット・Web系企業
- ITコンサルティング系企業
ITメーカー・ベンダー系企業
外国本国で開発された製品やサービスを日本市場に展開している企業です。
製品やサービスを日本向けにカスタマイズして展開します。
日本マイクロソフト、日本オラクル、デルなどなど
インターネット・Web系企業
外国本国で開発されたインターネットを用いたサービスを日本市場に展開している企業です。
サービスを日本向けにローカライズして展開します。
グーグル、アマゾンジャパン、Facebook Japanなどなど
ITコンサルティング系企業
企業が抱える課題を解決するためのソリューションを提供する企業
アクセンチュア、日本アイ・ビー・エムなどなど
日本企業も含めたIT企業については「未経験者のためのIT業界の企業」で紹介しています。
外資系IT企業の特徴
外資系IT企業の特徴について紹介します。
外資系IT企業は日本のIT企業とは異なる風土を持っており、その特徴を知っておくことで、今後の転職活動に役立てることができます。
具体的な特徴を項目別に紹介します。
考え方
姿勢
- 合理主義
- コスト重視
- ダイバーシティー
- キャリア志向が強い
合理主義的なため、効率性を重視しコスト意識も高いです。
またグローバルな視点で経営されているため、国や人種の壁の意識があまりなく、自然とダイバーシティーを実践しています。
また社員のキャリアに対する意識が高く、どのようなスキルと経験を身に着けていけばよいかといった”キャリアパス”などが整備されている企業もあります。
評価の仕方
評価
- 成果主義
- 評価基準が明確
- シビア
過程よりも結果が重視される成果主義です。
評価は、定量的、定性的の両面から明確な判断基準を設けます。
基準を上回ることが多ければ、昇給、ボーナス、基準を下回ることが多い場合は、減給あるいは解雇といった措置が取られ、とてもシビアな環境です。
給与
- 年俸制
- インセンティブがある
年俸制を取っているところが多く、それとは別に売り上げへの貢献度や高評価な結果を出した場合はインセブティブというプチボーナスが支給されることがあります。
企業の環境
労働環境
- フレキシブル
- 残業しない方が評価が高い
- サバティカル休暇がある
- ハードワークになりがち
働き方はとても柔軟で、リモートワーク、フリーアドレス、フレックス出勤などはだいぶ昔から導入されています。
また、残業は仕事が出来ないことの現れといった評価なため、仕事が終わればすぐに帰る人が多いです。
ただし成果主義ゆえの弊害で、結果を出すために長時間働くことが余儀なくされる場合もあります。
日本企業では珍しいサバティカル休暇を導入している企業も多いです。
このような特徴からもメリハリの利いた働き方が推奨されていることがわかります。
雰囲気
- 風通しが良い
- みな主体性を持ち、活気がある
上司や年長者にもどんどん意見が言え、またどんどん聞き入れてくれます。
また、主体的で積極的な人が多く会社の中は活気がある印象です。
組織
- グローバルでボーダレス
- 役職が少ない
多くの企業は日本以外にも進出しているため、同僚や上司が様々な国の外国人だったりします。
また、日本企業みたいな係長や主任というような細かい役職がない企業が多いです。
仕事の仕方
業務
- ボーダレス、プロジェクト単位で柔軟
- 主体性が必要
- コミュニケーション能力が必要
- セルフマネジメントが必要
日本企業のように常に決まったメンバーで業務を行うことはあまりなく、プロジェクトごとに柔軟にチーミングが行われます。
仕事の仕方としては、日本企業のように上から指示が与えられることはあまり無いので、自分で主体的に動き、自分で考えて目標を達成することが求められます。
そういったことから、主体性の他にもセルフマネージメントやコミュニケーション能力が必要になってきます。
IT技術
- 変化がさらに速い
- 最新技術のナレッジが豊富
IT自体変化の速い業界ですが、IT技術の最先進国は海外なため、外資系IT企業はさらに変化のスピードが速いです。
そのため、最新技術のナレッジも豊富です。
英語
- マニュアルやナレッジベースが英語
- 製品の問い合わせや回答が英語
- マネージャクラスが外国人
- マネージャクラスとのミーティングは英語
- 同僚が外国人
外資系で気になる点の一つだと思われる英語についてです。
基本的には日本企業相手の仕事が多いため、常に英語が必要なわけではありません。
ただし、製品マニュアルや社内のナレッジベースや掲示板などは英語だったり、本国への製品問い合わせのやり取りは英語だったりします。
さらに上位マネージャーは外国人であることが多く、その規模のミーティングなどは英語で行われたりします。
外資系IT企業のメリット・デメリット
外資系IT企業の特徴について紹介してきましたが、メリット・デメリットの観点から整理して紹介します。
良い点と悪い点の両面から知ることで、あなたに合った風土なのか判断でき、また転職後のミスマッチも防ぐことができます。
一般的なIT業界のメリット・デメリットについては「IT業界への転職のメリット・デメリット」で解説しています。
メリット
最先端の技術にいち早く触れられる
IT技術の主流は海外なため、日系IT企業に比べてキャッチアップできるスピードが速いです。
そのため、ナレッジが溜まるスピードも速く、ノウハウが仕入れやすい環境にあります。
グローバルな視野が築ける
企業の考え方がボーダレスなため、目標設定にしても組織編制にしても、世界全体を市場と捉えた行動が行われます。
そのためグローバルなビジネス感覚が身に付きます。
より実力主義
IT業界自体が実力主義的な傾向がありますが、外資だとさらにその傾向が強いです。
実力があり、成果を出していければその分高い報酬を得ることができます。
柔軟な働き方
成果主義、合理主義なため、結果さえ出せればどのように働くかはたいして気にされません。
そのため、あなたに合った働き方を選択できやすい環境です。
デメリット
より実力主義(負の面)
実力主義の負の面として、常に成果を出さないと減給や解雇の対象となり得るので、大きなプレッシャーが掛かります。
大きな主体性が必要
日本企業の様に上司が支持してくれることは稀なため、自分で考え自分で行動する必要があります。
そのため、大きな主体性が必要となります。
外資系IT企業に向いている人
外資系IT企業の特徴やメリット・デメリットについて紹介してきましたが、そんな外資系IT企業に向いている人の特徴を紹介します。
あなたの性格や姿勢と合致するか判断することができます。
外資系IT企業に向いている人
- 主体性を持って積極的に仕事がしたい人
- コミュニケーションを取るのが苦でない人
- 自分の能力を高めてより大きなプロジェクトに携わっていきたい人
厳しい環境なのは事実ですが、その成果がしっかりと報われる環境でもあります。
自分で考え、動き、どんどん成長していきたいと思うような人にはうってつけの環境です。
外資系IT企業への転職に必要なスキル
これまでの内容から、外資系IT企業への転職に必要なスキルに落とし込んで紹介します。
多くの能力が活かせる環境ですが、その最たるものだけ紹介します。
- 主体性
- コミュニケーション力
- プレゼンテーション力(提案力)
- 分析力
- 多面的視野
- 柔軟性
- 向上心
- マネジメントスキル全般
ビジネススキルについては「ビジネススキルとは|IT業界未経験者が転職を成功させる為に有効なスキル!」で詳しく解説しています。
外資系IT企業に転職する方法
最後に、実際に外資系IT企業へ転職するための方法について紹介します。
簡単ではないIT業界への転職ですが、外資系IT企業となるとさらに周到な準備が必要になります。
そのためには、外資系IT企業の転職ノウハウのある「転職エージェント」を活用しましょう。
転職エージェントは活用するメリットが多く、転職活動には必須のサービスですが、数ある転職エージェント中でも外資系IT企業への転職実績が豊富なところを活用すれば、その効果はとても大きいです。
具体的には、ハイクラス向けエージェントの「JACリクルートメント」などが該当しますが、20代の人や年収が条件に達していない人は「マイナビITエージェント」や「doda」などの大手総合転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントについては「転職エージェントとは|IT業界未経験からの転職に必須な理由と選び方」で詳しく紹介しています。
まとめ
外資系IT企業についてその特徴やメリット・デメリット、向いている人、必要なスキル、転職を実現する方法について紹介してきました。
外資系IT企業というと華やかでスタイリッシュなイメージを持っていた人もいるかもしれません。
実際のところは、過程よりも結果が重視されドライな決断もされるような環境であるが、成果が出せれば正当に評価され、どんどん大きな仕事に携われ大きく成長することが出来る、実力主義のシビアな世界です。
あなたにとってこのような環境が合っているようであれば、とてもやりがいのある世界なので、「転職エージェント」を最大限に活用し、積極的にチャンレンジしていくことをおすすめします。