- IT業界未経験で40代だけどIT業界へ転職したい
- 40代でも間に合う?
- 転職を実現させるには何をしたらよい?
「40代IT業界未経験からIT業界へ転職したいと思っているけど、無理だと思って端から諦めていませんか?」
結論から言うと40代未経験でもIT業界への転職は可能です。ですが、非常に狭き門であることも事実です。
転職を成功させるためには40代・未経験という状況をしっかり認識し、それを踏まえた適切なアプローチをとることが不可欠です。
私は某大手IT企業に長年勤めてきた中で、実際に業務を行う際に本当に求められている能力は何かを身を持って経験してきました。
その経験を活かして、以下のことについて紹介します。
- 40代・未経験のあなたに求められているもの
- 転職成功のための適切なアプローチとアピール
- 転職実現のために具体的にやるべきこと
この記事を読むことで、40未経験からのIT業界転職を実現させるための方法を知ることができ、
実際に行動に移すことでIT転職実現へと導いて行くことが出来るようになります。
40代業界未経験からの転職方法
IT業界未経験で40代のあなたがIT業界へと転職することはできるのでしょうか?
結論としては、不可能ではありません。
昨今のIT業界の活況などから、IT業界はいま多くのチャンスがあるためです。
しかしながら、40代で業界未経験という大きなハンデを背負った状態では、甘い考えで転職活動を進めたところで到底実現は出来ません。
40代・未経験に即したしっかりとした準備をして行くことが必要不可欠です。
40代未経験の転職事情
まず、IT業界の現状とあなたの置かれている立場について説明します。
活況な転職市場
上図は、経済産業省が発表している「IT人材の育成」の中の「-IT人材需給に関する調査-」で使用されている図です。
IT業界は右肩上がりの大きな成長産業ですが、IT業界は深刻な人材不足の状況です。
図が示すようにIT人材の需給ギャップは年を重ねるごとに広がって行きます。
そのため、現在の時点で人材確保及び人材育成を積極的に行っていこうとする企業が多いです。
つまり、業界未経験者を含めたIT業界への転職には大きなチャンスがあるというのが現在の状況です。
IT業界の転職事情については「IT未経験者がIT業界へ転職するのは難しい?」でも詳しく紹介しています。
40代異業種転職は5割以上
上手は、転職エージェントdodaがまとめた「年齢が上がると、異業種転職は難しい?」内の「年代別「異業種転職の割合」」の図です。
ITに限らず全業種でのデータではありますが、40代でも5割以上が異業種への転職を成し遂げています。
異業種転職は40代であっても諦めるようなレベルではないことがわかります。
ポテンシャル採用はない
40代になるとポテンシャルを見てくれることはほぼありません。
ポテンシャル採用:潜在能力を重視し今後大きな成長が期待できる人材を採用する選考方法
そのため、いままでの経験がIT業界でも通用することをアピールすることが必要になってきます。
以上のように40代業界未経験からのIT業界への転職は、決して諦める必要はありませんが相応のしっかりとした準備が必要不可欠になってきます。
40代未経験業界への転職の考え方
次に、IT業界未経験で40代のあなたがIT業界へと転職することに対する考え方、姿勢について紹介します。
現実に即した正しい考え方や姿勢をしっかり保つことで、焦らず迷わずに効果的な転職活動を進めることが出来ます。
また転職後に待ち受ける苦労も厭わない覚悟が必要です。
転職にあたっての考え方
非常に厳しい挑戦であることを受け入れる
IT業界未経験で40代のIT業界への転職は、非常に困難であることを現実として受け止めます。
そのため、やれることは全てやるという気概が必要です。
さらになかなか内定が取れなかったり、求人自体が少なくても焦らないようにします。
非常に困難なことを実現させようとしているのだから当然です。
来るべきチャンスを逃さないためにも、そういうものだと理解して納得しておくことが大切です。
長丁場になることを覚悟する
困難な道なため、必然的に転職活動は長丁場になります。
そのため、今の仕事を続けながら転職活動を進めることが重要です。
無用なプレッシャーを掛けることなく、ある程度余裕を持って転職活動をすすめることが大切です。
内定を勝ち取るための考え方
他業界でも「即戦力」であることを示す
40代の転職は、通常であれば即戦力であることが当たり前です。
しかしながら、IT業界未経験であるあなたには即戦力であることを示せる「IT業務実績」がありません。
この致命的な欠点を他で補うようにします。
「IT業界での業務経験」以外は即戦力であることを示すという考え方です。
これまで培ってきたビジネス自体の経験はITに関係なくあなたの大きな価値です。
つまり、業界が変わろうとも高いパフォーマンスを発揮して成果を出せることを示していきます。
転職後の姿勢
勉強をし続ける覚悟を持つ
変化の速いIT業界でさらにスタートが遅いため、常に勉強をし続けてギャップを埋める必要があります。
そのため、一般的にはベテランと呼ばれる年齢だとしても勉強をし続ける覚悟が必要です。
年齢を気にしない柔軟性を持つ
IT業界での経験値はあなたが最も下です。
先輩が年下であっても気にせず教えを乞うような柔軟性が必要です。
転職成功のための手順
実際に転職を成功させるためには、あなたの状況に即した正しい戦略を持って転職活動を進めていくことが大切です。
具体的な進め方は以下の通りです。
- ①あなたに求められているものを理解する
- ②適切なアプローチを知る
- ③アプローチに沿った適切なアピール内容を把握する
- ④具体的にやるべきことを実行に移す
ひとつずつ見て行きます。
①40代未経験者に求められるもの
まずは、あなたに求められているものを理解することが重要です。
以下の各観点から具体的に紹介していきます。
IT業界で求められるもの
IT業界というのは、変化のスピードが特に速く、さまざまな新しい技術・サービスがどんどん生まれてくるような業界です。
そんなIT業界の中で、特に重要になってくるのは以下のような能力です。
- コミュニケーション能力
- 論理的に物事を考え、問題解決へと導ける能力
- 変化を恐れない姿勢
- 自ら学び続けていく姿勢
つまり、ITの専門知識や技術よりも、こういった“仕事が出来る能力”が求められています。
IT業界の特徴については「IT業界への転職をおすすめする理由」や「IT業界への転職のメリット・デメリット」で詳しく紹介しています。
40代に求められるもの
企業が40代転職者を採る理由と期待することは以下の通りです。
- 実務経験が十分にある(ビジネスに精通している)
- 多くのスキルを備えている
- 安心してマネジメントを任せられる
つまり、即戦力の人材が求められます。
IT業界未経験者に求められるもの
企業が未経験者でも採用したいと思うのは、経験者だけでは足りない次点の人材確保のため、または経験者よりも価値のある人材であるためです。
いずれの場合も以下のことが求められます。
- IT実務経験以外の部分の価値が高い
- 異業種の新しい風を吹き込んでくれる
- これまでの業務経験が役に立つ
- なぜIT業界なのか?の明確な理由・熱意がある
つまり、他の業界経験有り転職者よりも価値があるものを持っていることが求められます。
以上のようなことが、40代IT業界未経験のあなたに求められていることです。
②40代業界未経験者の適切なアプローチ
次に、あなたに求められていることを踏まえて、転職成功のための適切なアプローチを取ることが重要です。
年齢や経験などによって、転職を成功へ導けるアプローチは異なります。
誤った方向に突き進んでしまわないように、40代IT業界未経験のあなたに適したアプローチを取ることが大切です。
具体的なアプローチは以下の通りです。
上流工程職を狙う
まず、40代業界未経験のあなたはIT業務の中の上流の工程を担う職種を狙うことをおすすめします。
理由は以下の通りです。
- IT専門スキル以外の能力の方が重視される
- これまでの経験を活かしやすい
つまり、あなたに致命的に足りないIT実務経験から身につけられるITスキルよりも、これまでの業界での業務経験から得られた仕事が出来る能力が活かしやすいためです。
IT業界の上流工程職については「未経験からでも狙いやすいIT職種」「未経験者のためのIT業界の職種」で詳しく解説しています。
業界知識が活かせる企業を狙う
これまでの他業界での知識が活かせる企業を狙います。
ITは様々な業界の課題を解決させるために使われています。
例)金融系システムや物流システム、販売システムなどなど
例えばあなたが物流業界で経験を積んできた場合、物流系システムを主に扱っているIT企業にとってはあなたの知識はとても価値のあるものです。
例)物流システムを手掛けているIT企業を狙う場合
物流業界で一日~~件の入出庫管理や月~~万円の受発注処理を担い、年~~万円の売り上げUPに貢献してきました。
その経験から、物流の業務フローについては熟知しており、効率化が図れる箇所やシステム化が求められている箇所などについての知見があります。
そのため、あなたの他業界の知識が活かせる企業を狙うことで転職の成功率を大きく上げることができます。
管理能力を示す
あなたのマネジメント能力を示します。
40代という年齢であれば、部下を持っていたり、チームを率いていた経験があったり、場合によっては管理職についていることもあるかもしれません。
このようなマネジメント経験は、20代30代では経験している人が少ないため、大きな差別化要因となります。
プロジェクトマネージャーや管理職としてメンバーを牽引した経験と実績などを、得られた成果などとともに示します。
マネジメント経験が求められているような求人であれば転職の成功率を大きく上げることができます。
組織能力を示す
40代であればより大きな視点での貢献が求められます。
プロジェクトチームだけでなく課や部、社などの会社組織の単位での考え方ができることを示せると大きな武器となります。
会社の成長や利益をもたらした具体的な実績を示します。
例)企業紹介のためにスピーチした経験、採用面接を担当した経験などなど
仕事能力を示す
あなたの仕事が出来る能力を示します。
これまでの仕事で担った役割、発生した問題への対処、仕事を進める上で工夫したこと、そして得られた成果などを通じて、その能力を示します。
これまでの実績を具体的に数値などを交えて示すと説得力が高まります。
経験が活かせることを示す
これまでの異業種での経験がIT業務でも活かせることを示します。
40代での転職では“即戦力”が求められます。
しかしながらIT業務経験がないあなたにはIT実績がありません。
そのため、これまでの経験・実績がIT業務にも十分活かせることを示す必要があります。
熱意を示す
なぜIT業界(御社)なのか。 IT業界(御社) で何を実現したいのか。というような IT業界(御社) に対する熱意を示します。
異業種からの転職であるため、志望動機にも繋がるこの熱意を示すことは必須になってきます。
明確な業界調査・理解を経た上で、あなたのやりたいことが具体的にどう実現できるのか示すことで説得力を増すことが出来ます。
③40代業界未経験者の適切なアピール
次に、先ほど紹介したアプローチに沿ったアピールすべき内容について把握します。
具体的に何をアピールすればいいかについて落とし込んで紹介していきます。
能力のアピール
いわゆる仕事が出来る能力のアピールには「ビジネススキル」を用いるのが効果的です。
あなたの能力をビジネススキルに基いて整理することで、具体的にかつ明確にアピールすることができます。
アピールすべき具体的なビジネススキルは以下の通りです。
- ヒューマンスキル
- コミュニケーション力:良好な人間関係を築き、さまざまな関係者とスムーズなやりとりをする能力
- ヒアリング力:相手の言葉をしっかりと聞き理解する能力。相手の潜在欲求を引き出す能力
- 交渉力・折衝力:人と人、組織と組織のあいだに立ち、両者の意見交換をスムーズに行える能力
- アサーティブコミュニケーション:お互いを尊重しながら意見を交わす能力
- プレゼンテーション力(提案力):自分の考えや意見を的確に相手に伝える能力
- ファシリテーション力:参加者の発言や参加を促し、議論を整理したり相互理解をサポートし、問題を解決に導く能力
- 受容性:自分とは異なる価値観を受け入れられる能力
- コンセプチュアルスキル
- ロジカルシンキング(論理的思考):物事を体系立てて論理的に整理したり説明したりする能力
- ラテラルシンキング(水平思考):固定概念にとらわれず物事を多面的に考えられる能力
- クリティカルシンキング(批判的思考):物事の常識に疑問を持ち本質を見極める能力
- 俯瞰力:広い視野で物事を捉えることができ全体像を把握する能力
- 洞察力:物事の本質を見通す能力
- 判断力:さまざまな物事を的確に認識し評価を下せる能力
- 先見性:先々や将来を見据えた考えができる能力
- マネジメントスキル
- マネジメントスキル全般:人・モノ・金・時間、など様々なものを管理する能力
ビジネススキルをアピールするときは、あなたがどういう役割で、どう考えどう動きどういう結果になったか”実績”を基に示すことが重要になります。
このことが、これまでの経験がIT業界でも活かせることをアピールすることにも繋がります。
例えば、ある商品の開発を担当した経験の場合
開発プロジェクトの責任者として、(プロジェクトマネージャ経験)
限られたスケジュールで目的とするクオリティを出すために、開発する商品は何がポイントとなるのかを度重なる話し合いをもとに割り出し、(ヒアリング力、分析力)
何が必要で今何が足りていないかを明確にし、(ロジカルシンキング)
問題解決の進捗を管理しながら開発を進めていきました。(プロジェクト管理能力)
そのために、関係するさまざまな部署と密に連携をとり、お互いの状況や問題点などを共有しながら進めていきました。(コミュニケーション力)
その結果、大きな遅延もなく、無事クオリティを満たした商品の開発を成功させることが出来ました。
IT業務においても、問題に遭遇した際には今回の経験を活かし、問題の本質に着目し関係者と協力し合いながら問題解決をしていくことが出来ると考えています。(これまでの経験がIT業界でも活かせる)
40代のビジネススキルについては「40代に必要なビジネススキル」でも紹介しています。
またビジネススキルを体系的にまとめたものは「ビジネススキル一覧|体系化」で紹介しています。
熱意のアピール
熱意については、理解度や実際に取り組んでいる行動などによってアピールします。
IT業界への熱意
なぜIT業界に転職したいのか?IT業界はどういうところだと理解しているのか?IT業界で何を実現したいのか?といったことについて具体的にアピールします。
40代というキャリアを考えると、「IT業界で何を実現したいのか」の明確なビジョンが必要になります。
また、IT業界の理解やITスキルの習得のために具体的にやっていることをアピールします。
例えば資格の勉強などは具体的な熱意・やる気を示すにはわかりやすい行動です。
応募企業への熱意
なぜ御社なのか、御社ならば何が実現できて、御社に何を貢献できるのかを具体的にアピールします。その為には、応募先企業の詳しい理解が必要になります。
④転職実現のためにやるべきこと
では、適切なアプローチに沿った適切なアピールが出来るようにするために、具体的にやるべきことについて紹介します。
ここで紹介したことを実際に実行に移すことで、転職成功への一歩を踏み出すことが出来ます。
IT業界研究
転職を成功に導くためには、IT業界についてしっかりと学ぶことが重要です。
IT業界にはどのようなジャンルがあって、どんな仕事があるのか、企業や職種にはどういったものがあるのか。
あなたがこれから向かう業界のことを十分に理解することで、IT業界に対するあなたの熱意が説得力を増してきます。
そうすることで、志望動機の深みや面接での受け答えのレベルに雲泥の差が出てきます。
また、企業に対して、40代で転職しようとするあなたの本気度を伝えることができます。
20代、30代であれば入社してから学べばいいことも、40代であるあなたは入社時にある程度備えておくべきです。
職種や企業などのIT業界に関することだけでなく、IT技術についても習熟を深めておきます。
最新のIT技術や既存の良く使われているIT技術など、入社後の業務を意識して理解を深めておく必要があります。
また、ITの基礎である「情報処理」についても身に着けておきます。
本サイトでは資格の必要性はあまりないと言っていますが、40代であるあなたにとっては別です。
少しでも知識をつけておくことと、企業に本気度を示すのに有効なため、「基本情報技術者試験」“くらい”は取得しておきます。
IT業界については「IT業界への転職を実現させるために必要なIT業界研究」で詳しく紹介しています。
ビジネススキルの整理
あなたの潜在性・将来性をアピールするには、ビジネススキルが重要になると紹介しました。
そのため、あなたのこれまでの経験をたな卸しし、ビジネススキルとして整理し、アピールできるあなたの価値を把握することが必要です。
ビジネススキルについては「転職を成功に導くビジネススキル」で詳しく紹介しています。
企業調査
転職を成功させるためには、応募先企業のことをしっかりと調査し対策をすることが大切です。
内定が得られる条件というのは以下の等式が成り立ったときです。
企業側の求める人材=あなたのアピールできる価値
つまり、企業側が本当に欲しているもの(スキル、経験、他業界知識などなど)を徹底的に調査することが必要になります。
その結果、応募先企業によってメインとするアピール内容を調整することが出来、より成功率を上げて行くことが出来ます。
転職エージェントの利用
以上のように、IT業界未経験からの転職を成功させるためにはやるべきことがとても多くあります。
しかしながら、これらのことをあなた一人で進めた場合、時間がかかる上に深いところまで理解できないだろうというのが現実です。
そのため本サイトでは、このようなやるべきことを効果的、効率的に行なうために、「転職エージェント」の利用をおすすめしています。
転職エージェントを利用すると、多くのノウハウを持った転職のプロが「担当者」として付き、あなたの転職活動に対してあらゆるサポートを行なってくれます。
転職エージェントについては「転職エージェントとは|IT業界未経験からの転職に必須な理由と選び方」で詳しく解説しています。
また、具体的なおすすめ転職エージェントについては「40代IT業界未経験者のためのおすすめ転職エージェント」で紹介しています。
※転職サイトのみの利用やハローワークの利用は避けましょう。
未経験OK!の表記に釣られ、誤ってブラック企業に応募・入社してしまう危険性があります。
転職エージェントに企業の内実をしっかり確認してから応募します。
まとめ
IT業界未経験40代のあなたがIT業界へ転職する上での考え方や実現させるための方法について紹介しました。
未経験40代の転職は不可能ではないとはいえ、非常に困難なのが現実です。
そのため、少しでも転職実現の可能性をあげるために適切なアプローチを取ることが重要です。
この記事の要点をまとめると以下の通りです。
- 適切なアプローチは「経験が活かせること・仕事能力・管理力・熱意」を示すこと
- 適切なアピールは「実績に基いたビジネススキル」や「具体的な行動」で行なう
- 具体的にやるべきことは「IT業界研究」「ビジネススキルの整理」「企業調査」
40代での他業界転職を実現させるためには、今までの経験が如何に活かせるかがとても重要です。
この記事を読んで、諦めずに挑戦する人が増えてくれると嬉しいです。
今まで躊躇していた人も、まずは最後に紹介した「転職エージェント」に登録してみると、一気に転職活動が動き出すと思います。