IT転職を成功させるために必要な勉強とは|IT業界未経験からの転職

  • IT業界へ転職するのに必要な勉強はある?
  • どうやって勉強したらいい?
  • プログラミングが出来ないとダメ?

IT業界未経験のあなたがIT業界への転職を成功させるためにやっておくべき勉強はあるのでしょうか?
あるとしたらどのようなことを勉強しておくのがよいのでしょうか?

私は某大手IT企業に長年勤めてきた中で、IT業界に必要なことや考え方について身をもって経験して来ました。
その経験を活かして、この記事では、IT業界未経験のあなたがIT転職を成功させるにあたって必要な勉強について紹介します。

この記事を読むことで、あなたがやっておくべき勉強のことやITスキルの勉強の優先度は低いことなどについて知ることができ、IT転職を成功させるために本当にやるべき行動を取れるようになります。

IT業界未経験のあなたに必要なこと

IT業界未経験であるあなたがIT業界への転職を成功させるためには、「ITのこと」と「あなたのこと」を深く知ることが必要です。

転職が失敗する主な要因は、ミスマッチです。
あなたの望みと企業の望みが合致しない(ミスマッチ)と、内定を得られなかったり、転職自体は出来ても思ってたのと違う、といった事態に陥ってしまいます。

そのような事態を避けるためには、相手のこと(IT業界、応募先企業)をよく知り、あなた自身のこと(経験、価値)もよく知る必要があります。

そのために必要なことは以下の通りです。

・あなたのやりたいことは本当にIT業界にあるのかを確かめる
・あなたの理想を実現できるのはどこかを明確にする
・あなたのアピールできる価値を見出す

あなたのやりたいことは本当にIT業界にあるのかを確かめる

まず、あなたがやりたいと思っていることはそもそもIT業界にあるのかを確認することが必要です。

あなたのやりたいことが実際にはIT業界に無い場合、的外れな転職活動によって選考が全然通らなかったり、万一入社できたとしても思ったものと違うことになってしまいます。

IT業界とはどういった業界で、どのような業務が行われているのかを知り、あなたのやりたいことがちゃんとIT業界にあることを確信しましょう。

あなたの理想を実現できるのはどこかを明確にする

IT業界といってもその範囲は広く業務内容も様々です。
業種によっても行なっているビジネスや対象としている顧客は様々です。
さらに職種によっても担当する業務や扱える技術は様々です。
さらに企業によってもその働き方や雰囲気は様々です。

あなたが実現したいと思っていることは、具体的にどの業種のどの職種で実現できるのかを明確にすることが必要です。
それがあなたの明確な目標になり、さらに説得力のある志望動機の基盤にもなります。

あなたのアピールできる価値を見出す

次に、あなたのことを深く知ることが必要です。

内定を得るためには、企業に対してあなたには採用するだけの価値があるということを認めさせなければなりません。
そのためには、まずあなた自身が自分のことを深く理解していることが必要です。

あなたのこれまでの経験や実績、仕事に対する姿勢、性格などを振り返り、たな卸し整理していきます。
その中からあなたの価値を明確にし、企業側にアピールしていきます。

IT業界未経験者がやっておくべき勉強

IT業界未経験のあなたに必要なことを紹介しましたが、それらを習得するために具体的にあなたがやっておくべき勉強は大きく分けて2つになります。

・IT業界の勉強
・ビジネススキルの勉強

この2つの勉強をやっておくことで「明確な目標と志望動機」と「あなたのアピールできる価値」を得ることが出来るようになります。

①IT業界の勉強

IT業界の全体像
IT業界の全体像

まずは、あなたがこれから挑もうとするIT業界について深くしっかりと理解できるように勉強します。

何となく華やかそうだとか、稼げそうといったような抽象的なイメージだけでは失敗します。
どういったビジネスが展開されていてどういった顧客に対してどういった商品・サービスが提供されているのか、どういった人たちが活躍しているのかなどなど、より具体的に理解出来るようにします。

IT業界の勉強方法

ここで紹介するようなカテゴリーごとに分けて、全体を捉えつつそれぞれを深堀りしていくことが効果的です。

IT業界の構造の理解

業種を知る

一口にIT業界といっても様々な業種が存在しています。
IT業界の業種は大きく分けて、インターネット・Web業界、システム構築業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界、通信業界の5つに分類することができます。
ただし、各業種同士はどんどんボーダレスに融合してきているのでその点は注意が必要です。

IT業界の業種については「未経験者のためのIT業界の全体像」で詳しく解説しています。

職種を知る

IT業界の職種も様々です。
顧客に近い業務を行う職種から、裏でプロジェクトを支えるような職種まで様々なものがあります。

IT業界の職種については「IT業界未経験者のためのIT業界の職種」で詳しく解説しています。

業務内容を知る

それぞれの業種や職種で実際に行われている業務も知っておきます。
あなたがやりたいことはどの業務で実現できるのか、より具体的に理解できているとミスマッチの可能性も減ってきます。

代表的な企業を知る

各業種を代表するような企業についても知っておきます。
代表的な企業は耳にしたことがあるような有名企業であることも多いため、各業種の業務内容を理解するのに役立ちます。
ただし、特に大企業の業務内容については様々な業種にまたがってビジネス展開していることも多くなってきているので注意が必要です。

IT業界の企業については「IT業界未経験者のための代表的なIT企業紹介」で詳しく解説しています。

IT業界の情勢の把握

ITの動向に常にアンテナを張っておくことも重要です。

IT業界は変化の早い業界のため、新しい技術やビジネスがどんどんと生まれてきます。
そのような情報を敏感にキャッチしているとIT業界への理解が深まって行きます。

基礎的なIT用語の理解

世の中のITニュースを見るにしても、採用担当と話すにしても、基本的なIT用語を知っておくことでスムーズに情報のやりとりができるようになります。

ただし、難しい技術用語を専門書で勉強するような必要はありません。
IT業界について勉強していく中で、わからない用語が出てきたらその都度調べる癖をつけておくと、徐々に理解できるようになっていきます。

IT業界の研究については「IT業界への転職を実現させるために必要なIT業界研究」で詳しくまとめています。

②ビジネススキルの勉強

ビジネススキルのアピール方法
ビジネススキルのアピール方法

次に、あなた自身の価値をアピールするためにビジネススキルについて理解を深めます。

あなたのアピールすべき価値とは”仕事が出来る能力”です。
そしてその仕事が出来る能力は、「ビジネススキル」の有無で明確にアピールすることができます。

あなたのこれまでの経験や実績、仕事に対する姿勢、性格などから既に習得しているビジネススキルがあるはずです。
ビジネススキルについて勉強することで、あなたの能力を具体的に表現することができるようになります。
それらを根拠をもとにアピールすることであなたの価値を企業側に示すことができます。

ビジネススキルの勉強方法

種類の理解

ビジネススキルには非常に様々な種類があります。
まずはビジネススキルにはどういったものがあるのかを理解していきます。

ビジネススキルの種類については「ビジネススキル一覧|体系化」で詳しく紹介しています。

求められる能力の理解

また、IT業界で特に求められる能力というものがあります。

  • 円滑な人間関係を構築できる能力
  • 論理的に物事を考え、問題解決へと導ける能力
  • 変化を恐れない姿勢
  • 自ら学び続けていく姿勢

これらは全てビジネススキルで表すことが出来ます。

  • コミュニケーション能力
  • 問題解決能力、ロジカルシンキング
  • 柔軟性、チャレンジ精神
  • 主体性、向上心

このようなビジネススキルについてはより詳しく理解を深めることが有効です。

IT業界で求められるビジネススキルについては「IT転職を成功に導く大事なビジネススキル6選」で詳しく紹介しています。
また年代ごとに求められるビジネススキルについては「20代30代40代に必要なビジネススキル」で詳しく紹介しています。

習得済みのビジネススキルの把握

ビジネススキルにはどういったものがあるのかを理解できると、あなたのこれまでの経験や実績、仕事に対する姿勢、性格などから既に習得しているビジネススキルがあることに気づくと思います。

これまでの経験・実績などをたな卸しし、あなたにはどのようなビジネススキルがあるのかを把握します。

理解の補助

理解が不十分であったり、習熟度が低いと思うビジネススキルについては、セミナーや書籍などを利用することで理解を深めていくことができます。

特に、現在勤めている会社でビジネススキルのセミナーが実施されている場合は、積極的に参加することをお勧めします。

実践での習得・強化

本サイトやセミナーなどで得た知識をもとに、現在の会社で意識しながら業務にあたることでより深く習得・強化ができます。

座学で得た知識だけでは企業へのアピール材料にはなりません。
あなたのビジネススキルを企業にアピールする際には、実際の業務でどのような成果が得られたのかという、あなたにビジネススキルがある「根拠」が必須になってきます。

これまでの経験から既に習得しているビジネススキルについては成果・実績と共に整理し、新たに習得が必要なビジネススキルについては現在の業務を通して意識して実績を積むことが必要です。

ビジネススキルについては「ビジネススキルとは|IT業界未経験者が転職を成功させる為に有効なスキル!」で詳しくまとめています。

ITスキルの勉強は最優先ではない

未経験者のITスキルは期待されていない

ここで、ITスキルの必要性について解説します。

”勉強”というと、ITスキルの習得(特にプログラミング)が真っ先に頭に浮かぶ人もいると思いますが、結論から言うと、ITスキルの勉強は最優先ではありません。

IT業界の現場社員の人たちは、業界未経験のあなたが独学で身に着けたレベルのスキルに対しては期待していません
そのため、ITスキルのスキルレベルは転職時には大して重要視されないので、積極的に勉強する必要はありません。

むやみにプログラミングの勉強ばかりしていても、IT業界への転職は遠のいて行くばかりなので注意が必要です。

IT業界未経験者がIT転職を成功させるための方法については「IT業界未経験者がIT業界への転職を成功させる方法!」で詳しくまとめています。

ITスキルの勉強が転職に有効に働く点

ただし、ITスキルの勉強が転職に有効に働く点があります。
それは以下の通りです。

ITへの熱意、やる気を示せる

勉強したITスキルのレベルには大した評価はされませんが、”勉強をしている”という姿勢は大いに評価されます。

入社してから教えてもらおうという受け身の姿勢ではなく、自ら学んで成長していく人材であるというアピールになります。

IT業務への理解を促進できる

ITスキルを勉強することで、実際のIT業務内容への理解がし易くなります。

その結果、あなたが狙うべき業種や職種について具体的にイメージしやすくなり、転職後のミスマッチを防ぎ、また志望動機などの内容に深みが増します。

IT用語を理解できるようになる

こちらも同じように、IT用語について少しでも知識が増えることで、企業の事業内容や募集要項の中身など、あらゆる場面で使われるIT用語に対していちいち躓かずに内容を理解しやすくなります。

また、企業の採用担当者や現場社員の方と話す際にも、ある程度専門用語が出てきてもスムーズに会話が出来るようになります。

IT業界への向き不向きを事前確認できる

また別の観点として、ITスキルについての勉強をしてみてまったく肌に合わないという場合は、IT業界への転職を取りやめるという選択肢を取ることもできます。

入ってしまってからでは遅いので、事前に判断できるのも大切なポイントです。

以上より、ITスキルの勉強はそのレベルが大事なのではなく、その”行為”が重要になります。
そのため、高度なプログラミング技術などを身に着けておく必要などはなく、上であげた様な有効に働く点を満たすような勉強方法をしていくことが効果的になります。

効果的なITスキルの勉強方法

IPA:試験区分
IPA:試験区分

では、実際のところどのように勉強したらよいのでしょうか。

ITスキルはそれこそあらゆる種類があり、レベルもピンきりで、IT業界未経験者のあなたからしたら何をどう勉強したらよいかからわからないと思います。
そこで、転職活動の選考で効果的にアピールすることができる勉強方法について紹介します。

IT業界未経験者は「基本情報技術者試験」の内容を勉強するのが最も効果的です。

情報処理技術者試験(日本のIT戦略を推進するために設立された独立法人であるIPAによって主催されている試験たち)の中で基本的な知識を網羅的に扱っている初級レベルのものが「基本情報技術者試験」です。

IT業界において最もメジャーな試験なため、採用担当者や現場社員の方にも勉強した内容が伝わります。
また、新卒の学生が就職前に取得することが多い資格なので、IT業界未経験のあなたでも勉強を進めていくことが出来ると思います。

異業種転職における実務を伴わないIT資格の有無はあまり重要ではありませんが、勉強の延長線上で取得できるようであれば持っておいて損は無い資格です。

ただし、情報処理の専門的な用語や理論などが目白押しです。
テキストを開いただけでアレルギー反応を起こしてしまうようであれば、本当にIT業界へ転職するべきか考え直した方がいいかもしれません。

ITパスポートは見当違い

よくネット上やSNSなどで、『まずは”ITパスポート”の勉強から始めよう!』とか。『IT業界へ転職するために”ITパスポート”の勉強を頑張ってます!』といった書き込みを見ますが、「ITパスポート」の取得または勉強は的外れなので注意しましょう。

理由は、上図(IPA:試験区分)にあるようにITパスポートは”ITを利用する側の人”を対象にした資格だからです。

そのような資格を選考でアピールしても、採用担当からしたら「何でそんな資格取ったんだ?」「ITのことあまり理解してないな」といったマイナスの印象を持たれてしまう可能性もあります。

あなたは、これから”ITを駆使して商品やサービスを提供する側の人間”です。

したがって、あなたが勉強すべきは基本情報技術者試験などの「情報処理技術者」向けの資格です。
見当違いな資格の勉強をしないように気をつけましょう。

効率的に勉強するために

転職エージェントの有効性
転職エージェントの有効性

あなたがやるべき勉強について紹介してきましたが、これらを全てIT業界未経験のあなた一人でやるのは正直言ってとても大変です。

IT業界の外から如何に頑張って理解しようとしても限界があります。
ビジネススキルについても、自分の価値というのは自分自身ではなかなか見つけにくいものでもあります。

このようなことを効率よくさらに効果的に進めるには、詳しいプロにサポートしてもらうのが一番です。
その最もよいと思う選択肢として、本サイトでは一貫して転職エージェントの利用をお勧めしています。

転職エージェントとは

  • 豊富な転職ノウハウをもった転職のプロ
  • 担当者が付きマンツーマンで転職サポートを受けられる
  • 無料

転職エージェントを利用することで

  • IT業界に関する詳しい情報を教えてもらえる
  • 転職でアピール出来るあなたの価値を見出してくれる
  • 応募したい企業にマッチしたアピール方法をアドバイスしてくれる

などなど、転職エージェントを利用する利点は非常に多くあります。
このように効率的でさらに効果的な転職活動を行なうことが出来るようになります。

正直なところ、転職エージェントなしで異業種転職を成功させるのは非常に厳しいと思います。
ブラック企業にはまってしまわないためにも、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントについては「転職エージェントとは|IT業界未経験からの転職に必須な理由と選び方」で詳しくまとめています。

まとめ

IT業界未経験者のあなたがIT業界への転職を成功させるために必要な勉強について紹介しました。

要点をまとめると以下の通りです。

  • やっておくべき勉強は大きく分けて2つ
    • ①IT業界の勉強
    • ②ビジネススキルの勉強
  • ITスキルの勉強は二の次
  • 転職エージェントを利用して効率的に勉強する

明確な目標と強い志望動機を得るためには、IT業界への理解が必須です。

またIT業界未経験のあなたが評価されるのは、付け焼刃のITスキルではなくこれまでの業界で培ってきた仕事ができる能力(=ビジネススキル)です。

転職エージェントを効果的に活用しながらしっかりとこの2点について準備を進めていくことで、IT業界への転職を成功に導いて行けるようになります。

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